裏側矯正(リンガルブラケット)
メリットとおすすめするケース
- 人に見えずに治療ができる
- 虫歯のリスクが低い
「表側装置に抵抗がある」「金管楽器やコンタクトスポーツなどのため表側装置が使えない」方におすすめできる選択肢です。
デメリット
- 口の中の違和感が強い(特に下顎)
- 一般的に治療が長期化しやすい
- 毎回の治療時間が長くなる
- 上顎臼歯の噛み合わせを高くする操作が必要(噛みにくくなる)
- 転医先の病院が限られる
転居時に転医先の病院が限られることが多いため、2~3年以内に遠方への転居が予想される場合にはおすすめしておりません。
ハーフリンガルブラケット治療(上顎のみ裏側矯正)
特に人に見えやすい上顎のみリンガルブラケットにする(ハーフリンガルブラケット治療)という選択肢もあります。
当院ではハーフリンガルブラケット治療を希望される傾向が強いようです。
上顎のみ裏側矯正のメリット
- 外部から目立ちにくい
- 違和感を軽減できる
- 治療費を比較的抑えられる
表側治療に比べると高額に
裏側矯正(リンガルブラケット)の治療費は表側治療に比べ高額になります。これは患者さんの歯に応じたブラケット製作の技工作業が必要になること、治療操作が複雑で長時間を要するためです。
裏側矯正の治療費は費用についてをご覧ください。
マウスピース矯正(アライナー矯正)
アラインとは“直線に並べる ” という意味で、歯を並べるマウスピースを「アライナー」と呼んでいます。アライナー矯正は、厚さ0.75ミリメートルのプラスチック製アライナーを1~2週間ごとに交換することで歯並びを整える治療法です。
1回の来院ごとに2~3ケ月分のアライナーをお渡しします。
メリットとおすすめするケース
- 食事や歯磨きの時に外せる
- 透明で見えない
- 装置の脱落などのトラブルが少ない
- 虫歯のリスクが低い
- 口内炎などが起こりにくい
来院は2~3ケ月毎となり、遠方からの通院や忙しい方にも向いています。
ただ1日20~22時間以上使用しないと治療効果が現れないので、患者さんのご協力が不可欠な治療方法です。
デメリット
次のような使用感を持たれる患者さんもいらっしゃいます。
- 発音に障害を感じる
- 装置の違和感がある
- 顎関節症を生じる
多くの方に選択されています
当院では成人期治療の40~50%の方がアライナー矯正で治療されています。
本治療の前には7日間お試しのマウスピースを使用して、ご自身で使用感を確かめていただけます。
マウスピースお試しOK!
当院では アライナー矯正がご自身に適しているかどうか、簡単なマウスピースをお試しいただいた後に治療開始します。
治療開始前に7日間 お試しのマウスピース(トライアルアライナーあるいはパイロットアライナー) を使っていただき、アライナー矯正が可能な患者様かどうか診断します。
使用可能な方にのみ本治療を適用しています。
これまでの経験では約10%の方が、パイロットアライナーを使用できずブラケット治療を選択されています。
患者様にとって、余計な費用負担なく確実な治療ができるようにと考えております。
アライナー治療費用(インビザラインなど)については費用についてをご覧ください。
口腔内スキャナー I-TERO
当院では、口腔内スキャナー(I-TERO)を導入しています。これは光を利用して歯型をとる装置です。
従来のシリコン印象(粘土状の材料)をとる必要がなく患者様の負担を軽減するとともに、装置作成までの時間が短縮され効率的な治療が可能となりました。
アライナー治療では1~2週間ごとにアライナーを交換していきます。「追加アライナー」の製作が必須ですから、 口腔内スキャナー(I-TERO) 導入により装置の追加も短期間でできるようになり、より迅速で精密な治療が可能となりました。
アライナー治療の注意点とお願い
矯正治療の診断と治療経験が詰め込まれた治療法
アライナー治療はどのように行われる?
予想像の実現へ…精密な治療
アライナー治療は、患者様の歯型やレントゲン写真から治療後の予想像を作成し、そこへ至る過程を1枚のマウスピースごとに実現していくことで可能となる治療です。
従来の矯正治療、ワイヤ矯正(マルチブラケット)で行っていたことをより精密に「アライナー」へ写し込んでいく作業になります。
薄いプラスチックですが、その中身は医院によっても主治医によっても異なります。矯正治療の診断と治療経験が詰め込まれた治療法なのです。
矯正歯科を専門とする歯科医院での治療を
従来の矯正治療の知識はもちろん、アライナー治療に特化した知識と経験も必要であることをご理解ください。矯正歯科を専門とする歯科医院での治療をお勧めします。
適応できない症状も
アライナー矯正治療の歴史は開発から10数年で、発展途上の治療法です。絶えず新しいオプションが開発されていると同時に、現時点では適応できない不正咬合などもあります。この点を十分にご理解いただき、他の治療法を選択していただく場合もあります。
[参照]
公益社団法人日本矯正歯科学会医療問題検討委員会、倫理・裁定委員会から学会会員に周知された内容を以下に記載いたしますので、ご参照ください。
海外カスタムメイド矯正装置使用にあたっての遵守事項
- 海外カスタムメイド矯正装置は、日本国の薬事法上の医療機器および歯科技工士法上の矯正装置に該当しないことを患者に説明すること。
- 海外カスタムメイド矯正装置以外に日本国の薬事法上の医療機器および歯科技工士法上の矯正装置による治療方法が存在することを、患者に十分説明すること。
- 海外カスタムメイド矯正装置を用いた治療を行う歯科医師は、個人の全責任において使用すること。
- 海外カスタムメイド矯正装置の使用に当たり上記内容を患者に十分な説明の上、理解と同意を得て同意書を作成すること。